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固定資産税の『評価替え』って何? 3年に一度、うちの税額はどう変わるんですか?

2026年8月26日 By NTM Editorial
#固定資産税#評価替え#総務省#地方税法#負担調整措置#住宅用地特例#2027年度
aiko
aiko

固定資産税は毎年払っとるのに、評価額を見直すのが3年に一度なら、間の年は何を基準に請求しとるん? 評価替えの年だけ税額が決まるわけではないんじゃろ?

sa-tan
sa-tan

固定資産税の対象になる土地と家屋は、税額の基礎になる「価格(評価額)」を3年に1度見直しています。これを評価替えと呼びます。直近の見直しは令和6年度(2024年度)で、今の令和8年度(2026年度)はその2年後、価格を据え置いている年にあたります。次に評価替えが行われるのは令和9年度(2027年度)です。今日はこの仕組みと、次の評価替えに向けてすでに決まっていることを、総務省の資料で確認していきます。

NTM EXPLAINER: 固定資産税の評価替え

3年に一度の見直しで何が起きるか

固定資産税の対象となる土地・家屋は、総務大臣が定める「固定資産評価基準」に基づき、市町村長が3年に1度、価格(評価額)を見直す。令和6年度が直近の基準年度で、令和7・8年度は据置年度、次回の評価替えは令和9年度(2027年度)に実施される。

評価替えの周期 3年に1度
直近の基準年度 令和6年度(2024年度)
次回の評価替え 令和9年度(2027年度)
令和6年度 固定資産税収 約9兆9,911億円

評価替えとは

総務大臣が告示する「固定資産評価基準」に基づき、市町村長が土地・家屋の評価額を3年ごとに見直す制度。地方税法第403条第1項に根拠がある。

基準年度と据置年度

評価替えを行う年度を「基準年度」、その後の2年間を「据置年度」と呼ぶ。据置年度は原則、基準年度の価格のまま据え置かれる。

土地の評価

宅地は地価公示価格等の7割を目途に評価。据置年度でも地価が大きく下落すれば、下落分を反映する修正が入ることがある。

負担調整措置

評価額が急に上がっても税額は緩やかにしか上がらないよう、「負担水準」に応じて課税標準額を段階的に調整する仕組みがある。
NT Media 結論
まず、この3年サイクルがどんな法律の仕組みで回っているのかを確認する。

評価替えの仕組み — 「基準年度」と「据置年度」がある理由

総務省「固定資産税の概要」によれば、市町村長は地方税法第403条第1項の規定により、総務大臣が定める「固定資産評価基準」に基づいて固定資産の価格を決定しなければならないとされている。この評価基準は地方税法第388条第1項に基づき総務大臣が告示するもので、土地・家屋・償却資産それぞれの評価方法を定めている。

土地(宅地)は、地目別の売買実例価額等を基礎にしつつ、地価公示価格等の7割を目途に評価額を算定する。この「7割評価」は平成6年度(1994年度)の評価替えから導入された仕組みで、資産評価システム研究センターが公開する総務省自治税務局固定資産税課の資料によれば、政府税制調査会の「平成4年度の税制改正に関する答申」と自民党「平成4年度税制改正大綱」(いずれも平成3年12月19日)で、平成6年度評価替えからの導入が明記されていた。家屋は、同じ家屋を評価時点でその場所に新築する場合の建築費(再建築価格)に、築年数に応じた減価率(経年減点補正率)を乗じて評価額を算定する。

平成6年度(1994年度)評価替え
宅地評価に「地価公示価格の7割目途」を導入
政府税調・自民党の税制改正大綱(平成3年12月19日)で導入方針が明記された。
平成9年度(1997年度)評価替え以降
負担調整措置を導入
負担水準の高い土地は税負担を引下げ・据置き、低い土地はなだらかに上昇させる仕組みが始まった。
令和6年度(2024年度)
直近の基準年度・現行の負担調整措置が始動
令和6年度税制改正大綱で、令和6〜8年度の負担調整の仕組みの継続が決まった。
令和8年度(2026年度)=現在
据置年度の3年目。次回は令和9年度
越谷市の説明によれば、地価下落があれば据置年度でも修正率で反映される。

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aiko
aiko

待って、据置年度は評価額を据え置くって言うけど、それって単に先送りしとるだけで、次の基準年度でまとめてドーンと跳ね上がるってことじゃないん?

sa-tan
sa-tan

そこは「評価額」と「税額」を分けて考える必要があります。据置年度でも評価額そのものは動かないのが原則ですが、越谷市の公表資料によれば、令和8年度は令和5年1月1日時点の地価公示価格等の7割を目途にした評価額を基本にしつつ、その後令和7年7月1日時点までの地価下落があれば、修正率をかけて反映しています。つまり「据置」は税額を止めているのではなく、評価額の見直し作業そのものを毎年やらない、という実務上の仕組みなんです。税額がどう動くかは、この後説明する負担調整措置の方で決まります。

据置年度でも税額が動くことがある理由 — 負担調整措置のからくり

総務省の資料によれば、平成9年度の評価替え以降、地域や土地によりばらつきのある「負担水準」(前年度課税標準額を今年度評価額で割った割合)を均衡化させることを重視した負担調整措置が導入されている。負担水準の高い土地は税負担を引き下げるか据え置き、負担水準の低い土地はなだらかに税負担を上昇させることで、ばらつきの幅を毎年少しずつ狭めていく仕組みだ。

負担水準が高い土地
  • 商業地等で負担水準70%超なら課税標準額を引下げ
  • 負担水準60〜70%(据置ゾーン)なら前年度の課税標準額のまま据置き
  • 評価額が上がっても税額はすぐには上がらない
vs
負担水準が低い土地
  • 据置ゾーン(60〜70%)を下回る場合が対象
  • 評価額の5%分ずつ、課税標準額を段階的に引上げ
  • 負担水準が20%を下回る場合は20%まで引上げ

資産評価システム研究センターが公開する総務省自治税務局固定資産税課の資料によれば、令和2年度時点では商業地等の負担水準がほぼ据置ゾーン(60〜70%)に収斂していたが、近年の地価上昇により令和5年度は据置ゾーンを下回る土地が増え、ばらつきが再び拡大しているという。令和6年度税制改正大綱(自由民主党・公明党、令和5年12月14日)は、この状況を踏まえ「令和6年度から令和8年度までの間、土地に係る固定資産税の負担調整の仕組み…を継続する」とした上で、「固定資産税の負担調整措置のあり方について引き続き検討を行う」と明記している。つまり、令和9年度(次の基準年度)以降の負担調整の枠組みが具体的にどうなるかは、本稿執筆時点(2026年8月)で確認できた資料の範囲では確定していない。

aiko
aiko

でも結局、負担水準が低い土地は毎年5%ずつでも上がり続けるんじゃろ? 「なだらか」とか「据置ゾーン」とか言っても、要は時間差で払わされとるだけじゃない?

sa-tan
sa-tan

負担水準が据置ゾーン(60〜70%)まで追いつけば、その土地の課税標準額の上昇はいったん止まります。実際、令和2年度時点ではそこまで収斂が進んでいました。ただしaikoさんの指摘どおり、地価が上がり続ける限り「据置ゾーンに追いつく前に、また評価額が切り上がる」ということも起こり得ます。令和6年度税制改正大綱がわざわざ「引き続き検討を行う」と書いているのは、この仕組みが自動的に収束するとは限らないと、制度を作っている側も認識しているからだと思います。

住宅用地特例と新築住宅特例 — 「評価額」と「実際の税額」は別物

評価額がそのまま税額に直結するわけではない。住宅の敷地には「住宅用地特例」が適用され、200平方メートル以下の部分(小規模住宅用地)は課税標準額が評価額の6分の1に、それを超える部分(家屋の床面積の10倍まで)は3分の1に軽減される。さらに新築住宅には、令和13年3月31日までに建てられたものを対象に、期間限定の税額減額特例がある。

特例対象軽減内容
住宅用地特例(小規模)住宅用地のうち200m²以下の部分課税標準額が評価額の6分の1
住宅用地特例(一般)200m²を超える部分(床面積の10倍まで)課税標準額が評価額の3分の1
新築住宅特例(一般住宅)令和13年3月31日までの新築(120m²まで)3年間、税額が2分の1
新築住宅特例(長期優良住宅)認定長期優良住宅(一般は5年、3階建以上耐火は7年)対象期間、税額が2分の1
aiko
aiko

うちの実家、新築で建てたときの減額がもう切れとるはずなんじゃけど、その後はどうなるん? 急に税額が倍になるん?

sa-tan
sa-tan

新築住宅特例が切れると、税額はそれまでの2分の1軽減が無くなった本来の額に戻ります。ただし住宅用地特例(土地部分の6分の1・3分の1)は新築特例とは別の恒久的な仕組みなので、そちらは切れずに残ります。特例が切れる年に建物部分の税額だけが上がって見えるのは、期間限定の減額が終わったからで、評価替えとは別の話です。ご実家の納税通知書に「新築軽減終了」といった記載があれば、それが理由だと考えて間違いないと思います。

次の評価替え(令和9年度)に向けてすでに決まっていること

令和9年度(2027年度)の次回評価替えに向けて、家屋の評価基準はすでに一部改正されている。総務省「固定資産税の概要」によれば、令和8年6月26日付の総務省告示第239号により家屋の評価基準が改正され、改正箇所は令和9年度分の固定資産税から適用される。TKCエクスプレスの報道によれば、この告示は同日付のインターネット版官報(号外第141号)に掲載された。

同じ総務省の資料は、免税点(課税標準額の合計がこの金額に満たない場合は課税されない基準額)についても、令和9年度以後の年度分から変更されることを示している。

免税点(家屋)
20万円 → 30万円
令和9年度以後
免税点(償却資産)
150万円 → 180万円
令和9年度以後
免税点(土地)
30万円のまま
変更なし

免税点は、同一の市町村内で同一人が所有する土地・家屋・償却資産について、それぞれの課税標準額の合計がこの基準額に満たない場合に課税されない仕組みだ。個々の建物単体ではなく、同じ人が同じ市町村内に持つ家屋の課税標準額の合計で判定される点には注意が要る。一方、土地に対する負担調整措置が令和9年度以降どうなるかは、前章で見たとおり本稿の時点では確定していない。令和8年度末(2026年度末)にかけての税制改正論議で決まることになる。

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the NTM の立場について

NTM ニュース整理

the NTM の立場について(§4-0)

「評価替えで固定資産税が上がる」という見出しは不安を煽りやすく、NT Mediaもアクセス数が収益に直結する媒体である以上、その引力の中にいる。実際には、評価額が上がっても負担調整措置によって税額の上昇は段階的にしか起きず、逆に据置ゾーンに入っている土地は評価額が上がっても税額は据え置かれる。本稿では「評価額の見直し」と「実際に納める税額の変動」を意図的に分けて書いた。令和9年度以降の負担調整措置がどうなるかは、令和6年度税制改正大綱が「引き続き検討を行う」としている以上、本稿の時点で断定できることではなく、今後の税制改正大綱で追跡が必要な論点として残している。

aiko aikoが飲み込んだところ

固定資産税の対象になる土地・家屋は、総務大臣が定める固定資産評価基準に基づいて3年に1度「評価替え」が行われる。直近の基準年度は令和6年度(2024年度)で、令和7・8年度は据置年度、次の評価替えは令和9年度(2027年度)。宅地は地価公示価格等の7割を目途に評価する仕組みが平成6年度評価替えから続いていて、評価額が急に上がっても税額は「負担調整措置」で段階的にしか上がらないようになっている。ただし令和6年度税制改正大綱は、この負担調整の仕組みを「令和6〜8年度までの間」継続するとしつつ「引き続き検討を行う」とも書いていて、次の令和9年度以降どうなるかはまだ確定していない。一方で家屋の評価基準は2026年6月26日付の総務省告示第239号ですでに改正済みで、令和9年度分から適用される。免税点も家屋20万円→30万円、償却資産150万円→180万円に令和9年度以後上がる。うちの税額がいつ・どの仕組みで動くのか、評価額の話と負担調整の話を分けて追いかけるのが一番混乱しない。


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