この記事について(ハブ記事)
本記事は、本誌の「オールドメディア・メディア信頼度」カテゴリの旗艦ハブ記事です。2026年時点の日本のメディア信頼度の現状を確認し、米国・英国・フランス・北欧との国際比較を行ったうえで、大手11社を本誌独自の基準で採点します。採点基準は公開し、本誌自身も同じ基準で自己採点します。既存のオールドメディア関連記事への入り口としても機能させる設計です。
独自ファクトチェック・検証視点
日本の信頼度データは新聞通信調査会「第18回メディアに関する全国世論調査」(2025年10月発表)に基づきます。国際比較はReuters Institute Digital News Report 2025、Gallup Trust in Mass Media 2025、Press Gazette/YouGov(英国)、France 24・CJR・Nieman Reports(フランス)を一次・二次ソースとして参照。本誌独自スコアは定性的な好き嫌いではなく構造評価で算出しています。各メディアへの減点理由は「記者個人の能力」ではなく「組織構造と慣行」を基準に記述しました。本誌自身のスコアも末尾に公開しています(CLAUDE.md 4-0「自戒原則」の実装)。
2025年10月、日本のメディア信頼度を最も継続的に計測してきた新聞通信調査会が、第18回全国世論調査の結果を発表した。
- NHKテレビ: 66.8点
- 新聞: 66.2点(僅差の2位)
- 民放テレビ: 60.1点
これだけを見れば、日本のオールドメディアは「まだ信頼されている」ように見える。だが同じ月、米国のギャラップは別の数字を発表していた。
- 米国の「マスメディアを信頼する」割合: 28%——Gallupが1972年に調査を始めて以来の過去最低。初めて30%を割り込んだ。
そしてフランスでは、マクロン大統領が「ミニストリー・オブ・トゥルース(真実省)」という言葉まで使って、ビンセント・ボロレという億万長者のメディア買収帝国と正面衝突している。
日本のオールドメディアは、世界の中でどの位置にいるのか。
そして「信頼度ランキング」は、そもそも信じていいのか。
本誌はこの問いに、3つの段階で答えたい。第一段階として既存調査の数字を整理する。第二段階でネット評判との乖離を点検する。第三段階で本誌独自の5軸スコアを使い、日本の大手11社を採点する。採点基準は完全に公開し、本誌自身も同じ基準で自己採点する。
1. 2026年、日本人はメディアをどれくらい信じているか
新聞通信調査会の調査は、日本のメディア信頼度を追うための最も長期的な時系列データだ。2008年の第1回から始まり、2025年の第18回まで毎年実施されている。調査方法は訪問留置法、対象は全国18歳以上5,000人、有効回答2,665人(回答率53.3%)。
注目すべきは「信頼度と接触率の乖離」だ。NHKと新聞は信頼度で上位にいるのに、日常のニュース接触率はこうなっている。
- インターネット: 46.5%
- 民放テレビ: 46.1%
- NHK: 35.8%
- 新聞: 33.4%
- ラジオ: 9.2%
毎日のニュースを取っているのは「インターネット」と「民放」がほぼ同率トップ。信頼度で1〜2位のNHK・新聞は、実際の利用では3〜4位に落ちる。
さらに新聞の購読率は50.1%。2008年からの17年間で-38.5ポイントの崩壊を起こしている。ピーク時に10世帯のうち9世帯が新聞を取っていたものが、今は半分に減った。
「信頼度は高いのに、実際には見てない——って、それ信頼してないのと同じじゃろ?」
「鋭いわ。信頼度調査の数字には独特のクセがあって、『信頼すべきだと思うもの』を答える傾向が出る。NHKや新聞は『公共的なもの』として言葉では信頼されるけど、実際の行動はネットに流れている。『建前の信頼』と『行動の信頼』がズレているのよ。」
この「建前と行動のズレ」は、世界のメディア信頼度を読む時の重要な視点になる。
2. オールドメディア批判は、日本だけの病気か
結論から書くと、違う。日本のオールドメディアが抱える問題は、世界中のオールドメディアが抱える問題の日本版だ。ただし、深刻さの度合いと問題の形は国ごとに違う。
4つの国を並べてみよう。
ここで注意が必要なのは、日本の66点台の数字と、この国際比較の40%前後の数字は、比較できないということだ。新聞通信調査会は「信頼度を100点満点で回答」してもらう方式だが、Reuters Instituteは「ほとんどのニュースは信頼できる」という文に「同意するか」で集計する。質問設計が違うので、単純な数字の大小では比較できない。
だが、相対的な位置関係は見える。フィンランドが飛び抜けて高く、米国・英国・フランスはどこも低水準で、日本はRDRの調査でも世界の中位〜中下位に位置する。オールドメディアの信頼崩壊は、程度こそ違え、ほとんどの先進国で起きている。
2-a. 米国——党派分断による「信頼度の内戦」
米国の数字は、ただ低いだけでない。分断の仕方が異常だ。
ギャラップの2025年9月調査では、共和党支持者のメディア信頼度は8%。1972年以来、初めて一桁に落ちた。一方、民主党支持者は51%で辛うじて過半数。無党派は27%だ。同じ国に住む人々が、同じメディアについて、こうも違う評価をしている。
年齢別でも深刻だ。65歳以上は43%が信頼するのに対し、65歳未満のどの世代も28%以下。「年配層がかろうじて支えているが、若年層は事実上メディアを見放した」状態と言える。
米国の問題は、メディアそのものの質の低下というより、視聴者が自分の信じたい情報を供給するメディアしか信頼しなくなった構造にある。Fox News、OAN、Newsmax の保守系クラスターと、CNN、MSNBC、The New York Times のリベラル系クラスターが、それぞれ別の「事実」を流している。
この状態は、日本の読者にとっては「まだ対岸の火事」に見えるかもしれない。だが、2026年の高市VSメディアで本誌が分析したように、日本でも党派別の「切り取り報道」問題は確実に進行している。
2-b. 英国——BBCという公共放送の「最後の砦」
英国の構造は、米国とも日本とも違う。
BBCは今でも「最も信頼されるメディア」で、英国人の44%が「信頼できる」と答える。Channel 4、ITV、Financial Timesもこれに続く。一方、タブロイド紙は悲惨な状態だ。
- The Sun: 59%が「信頼できない」と回答
- Daily Mail: 純信頼度スコア -37(信頼する人より信頼しない人が37ポイント多い)
つまり英国では、「信頼される公共放送・高級紙」と「信頼されないタブロイド」の二極分化が起きている。読者は自分の知性と価値観に応じてどちらかを選ぶ。
BBCの強さは、受信料制度(年間約170ポンド=約3万円)で財源を広告主から切り離している点にある。スポンサーへの忖度が構造的に少ない。ただしBBCも過去5年間で信頼度がじわじわ下がっており、「公共放送神話」にも翳りは見え始めている。
2-c. フランス——マクロンが直接「メディア戦争」を宣言した国
フランスの事情が一番刺激的だ。
ビンセント・ボロレという億万長者がいる。彼が率いるBolloré Groupは、フランスのメディアを次々と買収してきた。
- CNews: 24時間ニュース専門チャンネル。「フランスのFox News」と呼ばれ、移民批判・極右的論調で批判を浴びる
- Europe 1: フランス3大ラジオの一つ
- JDD(Journal du Dimanche): フランス唯一の日曜紙。2023年のBolloré買収後、新編集長が極右政治家エリック・ゼムールを支持することが判明し、記者約60人が一斉離職
- Paris Match: フランスを代表する写真週刊誌
これらはフランスの言論空間において巨大な存在感を持つ。ボロレ傘下メディアは共通して「保守〜極右寄り」の論調を強める傾向があり、RSF(国境なき記者団)は2025年に「何百人もの記者が秘密保持契約で口を封じられている」と告発した。
2025年12月、フランスのマクロン大統領は自らこの問題に介入する姿勢を見せた。報道の多元性を守るための規制強化を主張し、これに対してフランス極右陣営は「ミニストリー・オブ・トゥルース(真実省)」とオーウェル『1984』を引き合いに出して反発している。
日本で「オールドメディアは既得権益」と批判される構図とは真逆に見える。フランスでは、オールドメディアが新興の右派買収勢力に侵食される側になっているのだ。
同じ「オールドメディア批判」という言葉が、国によって全く違う意味を持つ。
2-d. フィンランド——なぜ北欧だけが信頼される
フィンランドは2025年も67%というRDRの最高水準を維持した。北欧の他の国々(スウェーデン、ノルウェー、デンマーク)も50〜60%台で、世界ランキングの上位に並ぶ。
なぜ北欧だけが「信頼の楽園」でいられるのか。理由は複合的だ。
- 強い公共放送: フィンランドの Yle は年間予算約5億ユーロを「Yle税」(納税者から最大160ユーロ)で賄う。広告依存度が極端に低く、政治からの独立性も法律で守られている
- 強い地方紙: 地方紙が広範に読まれており、中央集権的な大手メディアへの依存度が低い
- 国民の直接アクセス: フィンランド人の74%はニュースを「メディアのウェブサイト・アプリから直接」取る。SNS経由は43%で、世界平均より低い。プラットフォームが情報流通の主導権を持っていない
- メディアリテラシー教育: 学校教育で「情報を疑う力」を長年叩き込んでいる
ただし、この楽園にも陰りがある。2025年1月、公共放送Yleは財政再建のため309名(全従業員の10%)の削減を発表した。年間2,700万ユーロの経費削減が必要だという。公共放送モデルも、人口500万人の国で年間5億ユーロを維持するのは楽ではない。
「4か国を並べて分かるのは、『オールドメディア』には正解がないということだ。米国は分断で壊れ、英国は二極化で耐え、フランスは買収で侵食され、フィンランドは税で守っている。日本の『信頼度60点台』は、世界の中では奇妙なほど安定している——ただしそれが本当に『信頼されている』という意味なのかは、次で見ていこう。」
3. 既存調査と『ネット評判』の乖離
ここからが難しい話になる。日本の信頼度データが「66.8点」「66.2点」という一見まともな数字を出しているのは本当なのだが、その数字の作り方を知っておく必要がある。
新聞通信調査会の調査は、訪問留置法で行われる。調査員が家を訪問し、質問票を置いて、後日回収する。対象は全国18歳以上の5,000人から抽出された有権者で、有効回答数は2,665人(回答率53.3%)。
この方式には2つの傾向がある。
第一に、年齢層が高めに偏る。在宅時間が長く、調査員の訪問に応じやすいのは高齢層だ。2023〜2025年のギャラップ調査では、65歳以上のメディア信頼度が若年層の1.5倍以上という構造的な差が確認されている。日本の調査でも類似の傾向は存在するはずで、「高齢層が支える66点台」が実像に近い可能性が高い。
第二に、『信頼度』という概念自体の曖昧さ。訪問調査で「NHKを信頼しますか、100点満点で答えてください」と聞かれた時、人々は何を答えているのか。「公共放送だから信頼すべき」という建前を答えているのか、「実際の報道を常にチェックして信頼している」と答えているのか、分離できない。
一方、ネット上ではまったく逆の現象が起きている。
- SNS(X・YouTube・TikTok)ではオールドメディアへの批判投稿が常にトレンド入りする
- Google Trends では「〇〇テレビ 偏向」「△△新聞 誤報」といった検索が安定して多い
- YouTubeの「報道解説チャンネル」は登録者数が年々伸びている
これをそのまま「ネット民がメディアを信頼していない証拠」と読むのは危うい。SNSは怒りや反発が増幅されやすいメディアで、穏やかな肯定意見は埋もれる構造がある。ネット上の評判は、それ自体が別種のバイアスを持っている。
両方のバイアスを認めた上で、何が言えるか。本誌の仮説はこうだ。
既存調査の「66点」と、ネット評判の「炎上感」は、どちらも不完全な観測だ。両者の中間のどこかに、実際の日本人のメディア観がある。そこを近似するには、調査でもネットでもなく、『構造評価』という第三の視点が必要だ。
ここで本誌独自の採点基準を導入する。
「『ネットで言われてるから』とか『調査で出たから』じゃなくて、別の物差しを作るってことか。でもそれって主観にならんのか?」
「そこがポイント。主観にしないために、採点基準を先に公開するのよ。『何をもって何点をつけるか』を明らかにしてから採点する。そうすれば読者は『この基準は妥当か』を判断できるし、『この基準ならうちの会社はこう評価する』と自分で追試できる。」
4. 本誌の採点基準——5軸スコアリング(公開版)
本誌は2026年4月、オールドメディアを採点するために以下の5軸を定めた。各軸は5点満点、合計25点。これを100点換算する。
重要な運用原則が3つある。
- 定性的な好き嫌いで減点しない。「この社の論調は気に入らない」は評価の根拠にならない。「組織構造がどうなっているか」で評価する
- 特定の記者・個人への評価にしない。「あの記者は信頼できる/できない」という個人評価は避け、「組織として何をどう報じる慣行があるか」で見る
- 本誌自身も同じ基準で採点する。読者に採点基準を提示するなら、自分も晒すのが筋だ
5. 2026年独自採点結果——日本の大手11社
では採点結果を公開する。対象は新聞5紙、NHK、民放5局の計11社。便宜上の順序は五十音順。スコアは100点満点換算。
| 社名 | ①事実確認 | ②透明性 | ③多様性 | ④独立性 | ⑤訂正 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 朝日新聞 | 3 | 3 | 4 | 2 | 3 | 60 |
| 産経新聞 | 3 | 3 | 2 | 3 | 3 | 56 |
| NHK | 4 | 3 | 3 | 3 | 4 | 68 |
| TBSテレビ | 3 | 2 | 3 | 2 | 3 | 52 |
| テレビ朝日 | 3 | 2 | 3 | 2 | 3 | 52 |
| テレビ東京 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 60 |
| 日本経済新聞 | 4 | 4 | 3 | 3 | 4 | 72 |
| 日本テレビ | 3 | 2 | 3 | 2 | 3 | 52 |
| フジテレビ | 2 | 2 | 3 | 2 | 2 | 44 |
| 毎日新聞 | 3 | 3 | 4 | 3 | 3 | 64 |
| 読売新聞 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 60 |
※ 各軸1-5点、合計×4=100点換算。採点者: 本誌編集部(2026年4月)
※ 定性評価ではなく構造評価。組織構造と報道慣行を基準とした
採点の読み方と主な減点理由
60点台後半〜70点台:日経、NHK、毎日 この3社は「構造評価」では相対的に高い。日経は有料購読モデルで広告依存度が低く、情報源の一次リンク慣行も比較的整っている。NHKは受信料で広告から独立し、訂正プロセスも相対的に透明だ。毎日は視点の多様性で加点。ただし、どの社も満点にはほど遠い。
60点前後:朝日、テレビ東京、読売 これらの社は「5軸のどれでも極端に低くはないが、突出して高くもない」中位ゾーンに位置する。一次情報リンク慣行の不足、記者クラブ依存度の高さで複数の軸から-1点ずつを失っている。
50点台:TBS、テレビ朝日、日テレ、産経 民放の構造的な広告依存と、特定の論調に傾斜する編集方針で独立性と多様性が減点対象となった。産経は独自色が強い一方、視点の多様性を組織的に担保する仕組みが弱いと評価。
50点未満:フジテレビ フジテレビの44点は2025年のジャニーズ事件以降の対応、訂正プロセスの不透明さ、スポンサー関係での独立性評価の低下を反映したもの。ただし、これは過去の記録がある程度具体的だから減点しやすいという側面もある。他社も同様の構造問題を抱えていないとは言えない。
この採点の限界
明記しておきたい。本誌のこの採点は完璧ではない。
- 定量化しづらい軸: 「情報源の透明性」は記事単位で違う。組織平均をどう測るかは本誌も試行錯誤の段階だ
- サンプルの偏り: 評価に使った記事サンプルは過去1年分の主要報道に限られている
- 本誌自身の視点の癖: 本誌は「構造分析」を好むメディアで、構造説明が上手い社を評価しがちな癖がある
だから本誌はこのスコアを「最終的な真実」ではなく「議論の出発点」として提示する。読者が本誌の基準を検討し、自分なりに重み付けを変えて再計算できるよう、採点シート自体を公開している。
「え、全部60点台以下じゃないか! 新聞通信調査会の『NHK 66.8点』とかと全然ちがうのう!」
「当然なの。新聞通信調査会は『信頼していますか』という気持ちを聞いている。本誌は『構造がどうなっているか』を評価している。物差しが違うから数字が違って当たり前。大事なのは、どちらの物差しも100%正しくないことを認めたうえで、両方を使って判断することよ。」
「犬の鼻でも分かる——満点のメディアは一社もない。これが今の現実だ。だが、これは悲観する話じゃない。むしろ健全だ。もしどこかの社が95点を取ったら、そのこと自体がバイアスの証拠になる。」
6. 本誌の自己採点——同じ基準で自分を晒す
ここが本稿の最も重要な部分だ。
本誌(the NTM)もオールドメディア批判を行う立場として、同じ基準で自分自身を採点する。これをしなければ、「高みから叩く記事」になる。本誌自身がGoogle検索アルゴリズムへの依存構造を持つこと、アクセス数が収益に直結する以上『読まれるタイトル・感情を刺激する構成』への誘惑が常に存在することは、オールドメディアと本質的に同じ構造だ。
- ① 事実確認の厳密さ: 4/5 — 一次情報リンクを記事末に集約し、factCheckスコアとソースを公開。ただし外部ファクトチェック機関からの継続監視は未整備
- ② 情報源の透明性: 4/5 — 全記事でfactCheck sources を公開、匿名ソースは原則使わない。ただし本文中にインラインリンクが不足している記事が複数あり減点
- ③ 視点の多様性: 3/5 — 「構造分析」という特定のアプローチに偏っている。異なるイデオロギー側からの論者起用は少ない
- ④ 構造的独立性: 3/5 — スポンサー依存はないが、Google検索アルゴリズム依存とアフィリエイト収益依存という別種の構造がある。この依存は本稿で明記している点でプラスだが、依存そのものは解消していない
- ⑤ 訂正の誠実さ: 4/5 — 各記事末尾に訂正履歴(supplemental.corrections)を設置。ただし訂正の到達率は測定していない
→ 日経と同レベル。満点ではない。構造的な依存と視点の偏りを本誌も抱えている。
本誌の72点は「自己採点甘め」の可能性を含む。外部からの評価が本誌より厳しく出る余地は十分ある。だから本稿の末尾に連絡先を設け、読者からの「本誌はここが×点だ」という指摘を受け付ける。
「単なる批判は絶対にしない」という編集方針は、こうして自分を晒すことでしか守れない。本誌がオールドメディアと同じ鎖の素養を持つ以上、批判する時は自分も同じ構造の中にいることを認めた上で書く。これが本誌の自戒原則だ。
7. ハブとしての総括——読者への行動喚起
ここまで読み進めた読者に、3つの提案をして締めたい。
提案1:「信頼度ランキング」の数字を鵜呑みにしない
新聞通信調査会の66点も、Gallupの28%も、本誌の60点前後も、すべて測り方が違う数字だ。一つの数字に飛びつくのではなく、複数の測り方を比べるのが、メディアリテラシーの最初の一歩になる。
提案2:自分の採点基準を持つ
本誌の5軸を参考に、自分の判断基準を作ってほしい。「事実確認」を最重視するか、「視点の多様性」を最重視するかは人によって違う。重み付けを変えれば、ランキングは変わる。それが健全な多様性だ。
提案3:どのメディアも「信頼するかしないか」の二択で見ない
一つの社が全ジャンルで信頼できる必要はない。「経済は日経、政治は毎日、テクノロジーは本誌」のように、ジャンル別に使い分けるのが、本当のメディアリテラシーだと本誌は考える。
関連する既存記事(本誌のオールドメディア・メディアリテラシー記事群)
本稿は本誌の「オールドメディア・メディア信頼度」カテゴリのハブ記事です。より深く掘り下げたい読者は、以下の記事を併せて読んでください。
「オールドメディア四部作」:
- オールドメディアが変われない3つの構造的理由 — シリーズ第1部
- なぜオールドメディアはオールドメディアのままなのか — シリーズ第2部
- ニューメディアとは何か——鎖の素材が変わっただけで、誰も自由ではない — シリーズ第3部
- オールドメディアを動かしている『5つの役職』 — シリーズ第4部
メディア信頼度・リテラシー関連:
- 「〇〇%が支持」はどこまで信じていいか——メディアアンケートの信頼度ランキング
- 「ファクトチェック済み」の嘘。チェック機関の権威化が生む盲点
- AI生成で「見てもらいたい気持ち」がインフレする時代
- AIが書いた記事を読む時代のメディアリテラシー再定義
政治報道とメディア戦争:
「メディアは、信じる/信じないの二択で付き合うものじゃない。道具として使い分けるものだ。そのためには、道具の癖を知る必要がある。——本誌もその道具の一つだ。本誌の癖は、本稿の自己採点で晒した通りだ。読者が本誌の癖を知った上で使ってくれるなら、それが本誌にとっての『信頼』だ。」
参考文献・検証ログ
- 新聞通信調査会 第18回メディアに関する全国世論調査(2025年10月)
- 新聞通信調査会 — 信頼度はNHKがトップ、新聞は僅差で2位
- 新聞通信調査会 — 第18回メディアに関する世論調査 調査結果
- Reuters Institute — Digital News Report 2025 Japan
- Reuters Institute — Digital News Report 2025 Finland
- Reuters Institute — Digital News Report 2025 United Kingdom
- Gallup — Trust in Media at New Low of 28% in U.S.
- Poynter — Trust in media at an all-time low according to latest Gallup poll
- Fortune — Gen Z, millennials, and Republicans drive trust in media to the lowest ever recorded
- Press Gazette — UK newsbrand trust rankings
- YouGov — Which media outlets do Britons trust
- France 24 — Macron takes on French Murdoch in battle against disinformation
- Columbia Journalism Review — Veni, vidi, Vincent (Bolloré media empire)
- Nieman Reports — The Fox News of France (CNews/Bolloré)
- Tampere University — Finland's country report for DNR 2025
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- 現時点で訂正はありません。
参考資料
- 一次新聞通信調査会 第18回メディアに関する全国世論調査(2025年10月)chosakai.gr.jp
- 一次新聞通信調査会 — 信頼度はNHKがトップ、新聞は僅差で2位chosakai.gr.jp
- 一次新聞通信調査会 — 第18回メディアに関する世論調査 調査結果chosakai.gr.jp
- 一次Reuters Institute — Digital News Report 2025 Japanreutersinstitute.politics.ox.ac.uk
- 一次Reuters Institute — Digital News Report 2025 Finlandreutersinstitute.politics.ox.ac.uk
- 一次Reuters Institute — Digital News Report 2025 United Kingdomreutersinstitute.politics.ox.ac.uk
- 一次Gallup — Trust in Media at New Low of 28% in U.S.news.gallup.com
- 参考Poynter — Trust in media at an all-time low according to latest Gallup pollpoynter.org
- 参考Fortune — Gen Z, millennials, and Republicans drive trust in media to the lowest ever recordedfortune.com
- 参考Press Gazette — UK newsbrand trust rankingspressgazette.co.uk
- 参考YouGov — Which media outlets do Britons trustyougov.co.uk
- 参考France 24 — Macron takes on French Murdoch in battle against disinformationfrance24.com
- 参考Columbia Journalism Review — Veni, vidi, Vincent (Bolloré media empire)cjr.org
- 参考Nieman Reports — The Fox News of France (CNews/Bolloré)niemanreports.org
- 一次Tampere University — Finland's country report for DNR 2025research.tuni.fi