EDITORIAL TRANSPARENCY

Zash Fact Engine

THE NTMが全記事に適用する検証スコアリングシステムの設計思想と、これまでの変更履歴を公開します。 スコアを読者に見せる以上、その判定基準も同じ場所に置くべきだという考えのもと、このページを設けています。

現行バージョン: v1.3 — 2026年4月4日更新

ZFEとは何か

Zash Fact Engine(ZFE)は、THE NTMおよびNT Mediaが公開するすべての記事に対して自動で実行される引用整合性検証システムです。 記事本文に含まれるリンクURLの死活確認・ドメイン分類・引用の多角性評価を組み合わせて、0〜100点のスコアと A〜F のグレードを算出します。

重要なのは、ZFEは「記事の内容が正しいかどうか」を直接判定するシステムではないという点です。 ZFEが測定するのは「記事内の主張が、参照可能な複数の独立した情報源によって裏付けられているか」という構造的な検証可能性です。 LLMによる引用照合(本文内の主張とソースの内容一致チェック)は現在開発中(V2予定)であり、現行スコアに含まれていません。

ZFEが測定するもの ✓ / しないもの ✗
測定する
  • ソースURLが現在も有効か(死活確認)
  • 引用元が複数の独立したドメインから来ているか
  • 公的機関ソースと報道ソースが組み合わされているか
  • 具体的なページへのリンクか、トップページ止まりか
測定しない(V2以降)
  • 記事の主張が事実かどうかの真偽
  • 引用が文脈から切り取られていないか
  • 本文の論理的整合性
  • ソース元の信頼性・バイアスの評価

現行スコアリング v1.3

合計100点満点。5つの軸で評価します。 「一次ソース(官公庁)がなければ減点」という設計を廃止し、ソースの多角性と独立性を中心に評価する設計です。

Base 20点

生きた外部ソースが1件以上あれば満点。ソースがゼロの記事は0点スタート。

Alive(URL有効性) 20点

有効なURLの割合に比例。404・タイムアウトが多いほど減点。

Count(ソース本数) 20点

1本→8点、2本→15点、3本以上→20点。上限3本で詰め込み防止。 トップページのみのリンクは0.4倍換算(具体的なページへのリンクを優遇)。

Domain(独立ソース数) 20点

異なるドメインの数で評価。1ドメイン→7点、2ドメイン→14点、3ドメイン以上→20点。 同じサイトからのリンクを複数貼っても加点されない。

Mix(多角検証ボーナス) 20点

公的機関ソース(.go.jp / .ac.jp 等)と報道・調査ソースの両方を使っている場合に満点20点。 どちらか一方のみの場合は12点。「一次ソースは加点ボーナスであり、ゼロでも減点にならない」のが核心。

スコア計算例
ケースBaseAliveCountDomainMix合計
3ドメイン・報道のみ 2020202012 92
1件・公的機関 + 3件・報道 / 4ドメイン 2020202020 100
官公庁トップページのみ×3(同ドメイン詰め込み) 202017712 76
ソース1件(浅いURL) 2020377 57
ソースなし 00000 0

バージョン履歴

スコアロジックの変更は、判定を受けている記事の評価に影響します。重要な設計変更の理由を以下に開示します。

v1.3 2026年4月4日

多角的検証モデルへの移行(現行)

変更の背景:v1.2 でも「一次ソース(.go.jp 等)がないと30点が失われる」構造は残っており、編集者が「ZFEスコアのために総務省トップページを追加する」という本末転倒の動きが生じていた。ドメインの格が検証品質と等しいという前提自体が誤りであり、たとえば全国町村議会議長会(nactva.gr.jp)のような当事者団体の一次調査は「二次ソース」に分類されていたが、実質的には最も直接的な情報源だった。

変更内容:Primary / Secondary の二項対立による30点ペナルティを廃止。代わりに「ユニークドメイン数(独立ソース数)」と「一次+二次の組み合わせボーナス」に分離。一次ソースは加点ボーナスであり、存在しなくても減点にならない。

Primary(30) + Secondary(30) バイナリ Count(20) + Domain(20) + Mix(20)
v1.2 2026年3月頃

一次ソース偏重の緩和・Baseスコア導入

変更の背景:v1.1では Primary が50点・Secondary が20点という配分で、一次ソース3本を揃えれば80点に達し、報道文脈がないと満点になれないという「一次ソース詰め込み」問題があった。

変更内容:Baseスコア(ソース存在ボーナス20点)を導入し、Primary上限を2本に緩和(30点)。Secondaryをバイナリ判定(30点)に変更し、多様性の重みを引き上げた。

Alive(30) + Primary(50) + Secondary(20) Base(20) + Alive(20) + Primary(30) + Secondary(30)
v1.1 2026年初期

初期リリース

3軸(Alive / Primary / Secondary)でスコアを算出する基本形。一次ソース3本で最大80点、Secondaryが1本以上あれば+20点で満点という設計。リンクの死活確認とドメイン分類の基盤を確立した。

Alive(30) + Primary(50) + Secondary(20) = 100

設計の限界について

ZFEは「検証の構造」を測るツールであり、「真実」を保証するものではありません。 スコアが高い記事でも、ソース元が誤った情報を公開している場合や、引用が文脈から切り取られている場合は、誤りが生じる可能性があります。 逆に、スコアが低い記事(ソースが少ない、URLが古い等)でも、内容が正確である場合はあります。

ZFEスコアは「この記事は複数の情報源を参照しようとしており、そのリンクは現在も有効です」という編集的誠実さのシグナルとして読んでください。 それ以上でも、それ以下でもありません。

「ツールは道具よ。大事なのは、そのスコアが出た理由を編集部が理解して、読者に説明できること。スコアが高いからOK、ではなく、なぜ高いのかを問い続けることが重要。」 — sa-tan(NT Media 編集キャラクター)